ジルとの対話
Chord D♯

ティティは黒猫になっていた。
ジルの傍らに静かに寝息をたたて、昼寝をしている。
ジルは彼女を膝にのせると彼女を撫でた。
そのまま彼は午後の日差しをチェリストと共に作り上げた。
日差しはフォルティッシモ、ギラギラと虹色に反射している。
穏やかな夏の昼下がり永遠の生命がその断片があらゆる色彩で歌い上げられる。
ティティは目を覚まし背伸びをして湖へ出かけて行ってしまう。

湖には誰がいるのだろかコインのペイジだろうか?ジルは思いを回らせて詮索しなかった。
太陽は育み、大地は抱き、風は光る。
どこに哀しみがあるというのだろう、世界は秩序を保っているというのに。
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