ジルとの対話
chord E♭

人の縁は、繊細で全ての糸がそこへたどりよせる。もしキースが、ロックスターでなければ、彼がもし、リハーサルを見せる事を売にしていなければ、ジルの家を見つけなければ、スターリンは彼女に出会わなかっただろう。

スターリンはアンナを一目で気に入ってしまった。縁は赤く不可思議で魔術のようだ。

スターリンはしばらくジルの家を出て、キースのもとへ入り浸った。しかし、アンナはキースのいわば恋人なわけであったが、行き帰りの星々にスターリンは心を寄せて、詩的になぞらえる。あの、小さな見えないほどの星は誰のために光るのかわからない。恋の揺めきも誰のために灯るのか、それは、星々のように不思議であり、大いなる意志を抱いている。
あの、星 あの、星は孤独なのだろうか。
独りきりなのだろうか。

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