空色の香りは甘く
「うっせ、じじい。バカ野郎」

私はクルリと身を翻し
階段に向き直る。

こいつなんか相手にしてられない。

「あーヒデー俺がじじいなら
お前はばばあだぞ!アホ!」

後ろで騒いでる斗麻を無視して
階段を上った。

どのくらいからならやり直せるかな。

20段位のとこ?

いや、もっと。

一番上からじゃないといけないかもしれない。

「あのっ…さ!」

……なんだよ。

「なに?」

斗麻は後ろから私を追い越して
先に一番上に上がる。

「変なこと考えんなよなー!
お前のことだから、世の中つまんないとか思ってるんだろー?
ならさ!俺がお前の見てる世の中を
楽しくしてやる!」

…なにいってんの?

あんたなんかに出来るかバカ。

「俺が、お前を笑顔にしてやる!」

え…

「笑顔?」

「そうだよ!お前、最近笑ってない。」

人を指差してそう言い
斗麻は暖かい笑みを私に向けた。

ーードキッ…

こいつ…勉強できないくせに
変なところで勘がいいんだから。

「バカーーー」

私は斗麻にそう叫び、
タ、タ、タと階段を降りて帰路に戻っていった。
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