巫女と王子と精霊の本




「…………は、はっ、どうだか?それも演技かもしれないからな」


男は笑ってはいたものの、少し動揺したように見えた。



「……っ…………」



悔しい、悔しい!!!
こんなやつに勝手に私自身を決められたくない。



「鈴奈、言いたい奴には言わせとけばいい。お前の事は俺達が理解
している」

「そうです、巫女様の純粋な優しさに私達は何度も救われたのですから…」



エルシス……セレナ……
そうだね、二人が私を理解してくれればいい。



「ありがとう…そうだね。私にはあなた達がいれば…」



それだけで構わない。
この世界でたったひとつの居場所。




「残念だけど、あなたとは行けない。私には、ここでしか出来ない事があるから…」



私はさっきまでの動揺が嘘みたいに落ち着いていた。


凛と前を向こう。
私は私の願いの為に。



「……変わった女。あんだけ喚いてたのにすぐに、目つきが変わった。あんた、面白いね」


男はニヤリと、笑う。



「そうかな、私にしてみればあなたのほうが変な男で面白いよ?」

「ぷっ…くくっ…まじ面白い。俺、あんたと離れたくないかも」

「はぁ…??」



自分でも驚くくらい変な声が出た。















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