巫女と王子と精霊の本
翌朝、朝早く馬小屋へ向かう。
「マヌラ族の女の子、皆にも手伝ってもらおう。後でエルシスに聞くとして………」
今日はどうかと本当を開く。
「白紙……か……」
本は私に未来を紡ぐ方法を教えてくれる。でも………
綴られるのが遅すぎる。
疫病の時だってエルシスは死にかけた。
今度は誰も傷つかないうちになんとかしなくちゃ。
「巫女サマー!」
考え事をしていると聞き覚えのある声が聞こえた。
「セキ?」
振り返るが誰もいない。
あれ……?
今、セキの声が聞こえた気がしたんだけど………
「ははっ、巫女サマ、こっちだよ」
「…えっ……セキ!?」
セキは木の上に座っていた。
なんて身軽なんだろう……
隠者ってみんなこうなの!?
「おはよう、巫女サマ」
「おはよう、でも巫女様じゃなくて名前で呼んでくれると嬉しいんだけど」
やっぱり巫女様は慣れない。
「気が向いたらね、鈴奈?」
「う、うん」
今は気が向いたって事かな?