巫女と王子と精霊の本

真白なる癒しの姫




――――――――――――――
――――――――――
――――――


暗い闇の中、私はどこかへと落ちていく。


私はどこへ行くんだろう……



目を開けたはずなのに閉じているみたいに真っ暗だ。



「……誰か…………」


暗闇に手を伸ばす。


冷たい……怖い……


『……助けて……』




……え……?


遠くで声が聞こえた。
鈴の音のように小さく綺麗に澄んだ声…



「誰かいるの……?」


『っ!!私の声が聞こえるのですか!?』





返事が返ってきた!!
一体どうなってるの!?




『助けて下さい!!私は捕らわれてしまって…』


「捕らわれた?」


『はい……』



急に目の前が光り出す。


「!!」



光が消えるとそこはまるで牢獄のような場所だった。



いくつもある鉄格子の部屋。
冷たくじめじめとした場所だ。



「ここは……」


「っ!!助けて下さい!」

「!!」



さっきよりも声が鮮明に聞こえる。
声が聞こえた方へと走る。









< 205 / 300 >

この作品をシェア

pagetop