巫女と王子と精霊の本


「鈴奈!!危ないから近付くな!!」


エルシスの制止の声が聞こえる。


「ごめん、エルシス。でも大丈夫だと思う…」


私は馬の目を見つめたままそう言った。


「大丈夫だと思うってお前な!!」


うん、ごめんねエルシス。でも大丈夫な気がするんだよね…


―怖かったの…?


心の中で問いかける。精霊であるクレアーネさんと話したように。


『怖い…あれは何…?』


やっぱり…これは心話だ。なんで動物とも話せるんだろう。


って……
今はおいといて、このお馬さん…
怯えているように見える。


この子だけじゃない。
他の子も…









< 92 / 300 >

この作品をシェア

pagetop