-Lost Japan-失われし愛国
振り向いた蒼の瞳に映るのは、自らを追って来たのか此方に向かい走って来る蓮哉の姿だった。


安心の感情が芽生える。


何故かは分からないけれど、心が安らぎを得た様に不安を紛らわせてくれた。


「はあ…はあ…、ごめん。アリッサが居る場で話しちゃいけない事を話してたよな。」

「あ…なむ。」


考えても口が発音を覚えていないのか、言葉にならない。蓮哉のせいでないと、自分のせいだと言いたいだけなのに。


「取り敢えず、俺の部屋においで。君の事も考えなくちゃいけないし。」


差し伸べられた手がアリッサの手に触れた瞬間、アリッサの脳内に電流の様な何かが勢い良く体中を駆け巡って行く。


──…大丈夫だから。


──…君の名前は?俺は──。


──…貴女は軍の諜報員の一人として…──



「う、ぁぁ…!」
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