-Lost Japan-失われし愛国
脳裏に響く声は心を乱して、まるで思い出すのを拒む様に鋭い頭痛と嫌悪感が体を蝕んで行く。
思わず蓮哉の手を払ったアリッサは、後退り気が動転しているのか片手で頭を押さえながら、蓮哉から逃げる様に再び走り出した。


「ア、アリッサ…!」


拒絶された蓮哉にアリッサの事が分かる筈もなく、弾かれた手を暫く見つめ自分自身に質問を投げ掛ける。
それは返って来る事はなく、警戒されているのか、嫌われているのか、それすら分からずに走って行くアリッサの後ろ姿を見ては、何処か悔しそうに眉間に皺を寄せた。


──…俺は、アリッサに一体どんな関係があるんだ。


…敵対関係…なのか?ずっと前から。


ずっと…前から。


「何やってんだよ。蓮!」
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