帰宅部にお任せを

「まずそこの二人、」

「「はい!」」

ピシッと背筋を伸ばしてしまう。


「楓の話を、よく聞いてあげること」

それからそっぽを向いている楓にも目を向ける。


「楓のやり方はいいと思います。でも、きちんとわかりやすく説明してあげることも大切。いじめすぎ」

"きちんとわかりやすく"って、遠回しにわたし達を馬鹿って言ってるわけじゃないよね、十夜?


まあ、今回は見逃してあげるけど。

うん、今回だけは。


それよりも十夜の言う通り、楓の話きちんと聞かなくちゃ、というより聞きたい。



やっと楓はこちらに向き直った。

「俺が説明するより、これから原田ユマに会いに行って自分の目で確かめた方が早いと思う。だから、彼女のところに行こうって言ってるんだよ」

なるほど。

わたし達はようやく意味を理解し、頷いた。


彼女に会いに行く。

そして、楓は言わなかったけど、


それは、彼女を助けに行くってことでしょ…?


―…彼女が抱える闇の底から。



「いいと思う、それ」

隣の廉も、同感のようで静かに頷いた。
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