帰宅部にお任せを

あれから数日が経った。

今日は珍しくお客さんが来ない。


「真希、これシュレッダーにかけて」

「はいはい」

だからと言って雑用係の仕事は絶えない。



のんびりと流れていく時間。

のはず、だった。


ズドドドドド……バン!!!

「颯ーっ!」

「ぐっ、」


一瞬の出来事で、目がそれを追えなかった。

しかし、何が起こったかはわかっている。


それは、

「颯、元気ー?」

なんて、颯に抱きついてきたのは我が校の生徒会長、原田ユマ。

そして、抱きつかれているのは帰宅部部員、倉谷颯。


美女に野獣。

まさにこの状態を言うのでは?


…いや、状況的には反対か。

襲う美女に襲われる野獣だ。
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