帰宅部にお任せを
わたしからこんな大声が出るとは油断していたのだろう。
彼は一歩後ずさる。
それに対してこの場の主権を握ろうとした廉が前へと出た。
「真希の言う通り、まず見ず知らずの人間と会話出来るか」
廉にも言われてしまい、彼はため息をついてから自己紹介を始めた。
「知ってるかと思ってた。…まあ、いっか。俺は八木原 伊織(やぎはら いおり)だ。君らと同じ学年だよ。でもクラスは遠いね。俺、G組だし」
彼はそう言って、髪に指を通す。
さらさらとなびく綺麗な金髪に指を通す。
どうやら人工的なものらしいが、ここまで人工的なものが綺麗になるのが不思議だ。
そんなことより、わたし達はフリーズしていた。
それは美しい彼の言動に見とれていたなんてことは決してない。
ややや…、八木原!?
「「か、楓の隠し子ー!?」」
「いかにも!」
それを聞いてさらにわたし達の頭はぐるぐる。
泡を吹く直前。
そんなわたし達を彼は鼻で笑った。
「…なワケないっしょ?」