帰宅部にお任せを
「あなた方はお金さえ払えば、何でもしてくれるのでしょう。誰でも構わず復讐してくれるのでしょう」

確かに、わたし達は報酬を頂いて活動をしている。

でも、そんな言い方ないじゃない。


頭にきた。

皆を…、大切な仲間を悪く言われている気がして。


そんなわたしの様子にいち早く気づいたのは廉だった。

大事なお客に手をあげてはならないのは、わかっている。

でも、この人に言ってやりたい。


『そんな悪い言い方やめて』、と。

二つの狭間を行き来するわたしに廉は小声で『駄目だ』と諭(さと)した。

そして、手を握ってきた。


わたしの手を握っているのとは、反対の手。

廉も拳をしっかりと握りしめていることに気づく。


…廉も同じ気持ちなんだ。


廉だって本当は言ってやりたい。

このお嬢様に先ほどの発言を撤回させたい。


でも、我慢している。

大事な依頼人だから。


わたしだけじゃない。
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