secret name ~猫と私~
“セッテ”を演じているに等しい毎日だから、これが本当の自分だと思われているのかもしれない。

(俺、こんなキャラちゃうねん・・・ほんまは。)

それが言えたら、楽になれるだろうか。
本当の自分を出しても、佳乃は離れて行かないのだろうか。
そこまでの魅力が自分にあると言い切れるほど、自信はない。

しばらくの葛藤。
佳乃はじっと待っている。

「高村さん。」

「何?」

少しだけ、期待を孕んだ目。
普段は強気な彼女が、こんな表情を見せてくれるなんて、出会った頃からは考えられない。



「やっぱ、言えへん。」



言いかかった言葉を飲み込み、顔を伏せて目をそらす。
規則だからというのは、ただの便利な言い訳だ。
胸の奥が刺されたように傷んだ。



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