secret name ~猫と私~
先に口を開いたのは、佳乃だった。

「私が傷付くのは、私の勝手よ。貴方の責任じゃないわ。」

「せやけど、結果的に振ったん、俺やし・・・」

「だから馬鹿だって言ってるのよ。それに、傲慢だわ。」

振った側なのに、ウジウジするなと言いたい。
目を逸らしたままのセッテを、佳乃は真っ直ぐ見据えて、続ける。

「私の事は、私の責任よ。貴方の物にしないで。」

空港のざわめきの片隅。
セッテは佳乃をようやくまっすぐ見ることが出来た。
凛とした微笑みに、出会った頃とは違う自信が見え隠れしている。

「それでも責任を感じるのなら、幸せに、なりなさい。」

「高村さん・・・」

「ありきたりで、悪いわね。」

佳乃は肩に掛った髪の毛を、後ろへと流す。
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