secret name ~猫と私~
楽しかった、セッテとの時間。
悩みもしたが、二ヶ月間とても充実していた。
「私は、貴方を好きになって良かった。」
はっきりと言葉にするのは恥ずかしくてうつむいたが、涙は流れない。
ほんのりと赤く染まった耳を隠すように、少し絡まった髪を手櫛で直した。
「また、恋をするわ。」
「応援さしてもらうわ。」
吹っ切れたように優しく笑ったセッテを、真っ直ぐ見上げた。
「さよなら。」
「ありがとう、高村さん。」
彼とは、もう二度と会う事はない。
それでも佳乃は、清々しい気分だ。
背を向けて歩き出す佳乃の背中を、セッテは最後まで見送らない。
なんとなくだが、失礼なような気がしたから。
セッテも歩き出す。
約束通り、幸せにならなくてはいけない。
その為に、彼女のように、強くなろうと思った。
悩みもしたが、二ヶ月間とても充実していた。
「私は、貴方を好きになって良かった。」
はっきりと言葉にするのは恥ずかしくてうつむいたが、涙は流れない。
ほんのりと赤く染まった耳を隠すように、少し絡まった髪を手櫛で直した。
「また、恋をするわ。」
「応援さしてもらうわ。」
吹っ切れたように優しく笑ったセッテを、真っ直ぐ見上げた。
「さよなら。」
「ありがとう、高村さん。」
彼とは、もう二度と会う事はない。
それでも佳乃は、清々しい気分だ。
背を向けて歩き出す佳乃の背中を、セッテは最後まで見送らない。
なんとなくだが、失礼なような気がしたから。
セッテも歩き出す。
約束通り、幸せにならなくてはいけない。
その為に、彼女のように、強くなろうと思った。