secret name ~猫と私~
自分の昇進を信じられないまま、いつの間にか朝礼が終わり、佳乃は自分のデスクに居た。
月末には、ここを離れる。
(まさか、私が課長なんて・・・)
主任のままでよかったのに、と。
会社の辞令はどうにもならない。
昇進取り消しなど申し出れば、他の社員に示しが付かない気もする。
幸い、企画運営部に所属する社員は、そのまま広報部・企画課に異動になるので、辞令は無かった。
自分の肩書だけが、変わってしまったのだ。
その重さに、耐えきれるのか。
「あの・・・高村しゅ・・・課長・・・」
「まだ主任よ。」
思わずきつくなった語尾に、声をかけてきた部下が強張った事を気に出来る程、今の佳乃に余裕はない。
「高村主任、社長がお呼びです。社長室へとのことです。」
「わかった。」
立ち上がり、社長室に向かって歩き出す。
後ろからセッテが遠慮がちについてきたのが分かったが、振り向かずにそのまま歩き続けた。
月末には、ここを離れる。
(まさか、私が課長なんて・・・)
主任のままでよかったのに、と。
会社の辞令はどうにもならない。
昇進取り消しなど申し出れば、他の社員に示しが付かない気もする。
幸い、企画運営部に所属する社員は、そのまま広報部・企画課に異動になるので、辞令は無かった。
自分の肩書だけが、変わってしまったのだ。
その重さに、耐えきれるのか。
「あの・・・高村しゅ・・・課長・・・」
「まだ主任よ。」
思わずきつくなった語尾に、声をかけてきた部下が強張った事を気に出来る程、今の佳乃に余裕はない。
「高村主任、社長がお呼びです。社長室へとのことです。」
「わかった。」
立ち上がり、社長室に向かって歩き出す。
後ろからセッテが遠慮がちについてきたのが分かったが、振り向かずにそのまま歩き続けた。