背中を合わせて【完】
そんな圭の姿を見て、未夜は朝会った赤い髪の男のことを思い出す。


今朝は怪我してあまり話せなかったから、未夜は未だに赤い髪の男の名前を知らない。


あの男の名前を聞くのは今がチャンスなんじゃないかと思った。



「あんたさぁ。」



意外にも先に口を開いたのは圭。


圭は教室の後ろに身体を向けて机に座っていた。


メールを打っているようで、その顔は携帯画面へと落とされている。



「えっ?」



未夜は予想外の呼びかけに驚いた。



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