幼なじみと付き合った場合。
校舎の陰に朝野を連れていき、壁にもたれると、朝野も同じように壁にもたれた。



となりに並んだおかげで、目を合わせなくてすむ。



地面に視線を落とし、俺はとりあえず昨日のことを聞いてみることにした。



「……昨日は、彩花が世話になったな」



なんか、俺……彩花の彼氏っぽい?



いや、一応これでも彼氏なんだけどさ……。



「……えっ、聞いたんだ?」



声が少し上ずったけど、朝野はすぐに落ち着きを取り戻した。








「彩花から聞いたわけじゃないけどな。手紙……見た。フざけてんのか?テメーは」



おっ、ちょっと調子が戻ってきた?



なんとなく、いつもの元気が出てきた気もする。



「フざけてるわけないって……本気だからこそ……わざわざ、形に残るモノにしたんだ」



……なにっ?



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