幼なじみと付き合った場合。
――カチャン。



わざと音を立てるつもりなんてなかったけど、急いでこの場を去ろうとしたら、足にペダルが当たった。




音にハッとして、彩花が朝野から離れるのがわかったけど、




目が合う前に……チャリに飛びのり、ペダルを勢いよくこいだ。




……こうなるってことぐらい、わかってた。




付き合うって…そーいうことだろ?










現実から目を逸らし、毎晩彩花の部屋の灯りを確認してなんの自己満だよ……。



外泊しなくったって……



そういうことは、できる。



もしかしたら……彩花はもう…朝野と……。



考えただけで、胸が張り裂けそうになる。



だけど……俺の今の目的は、そんな目先のことじゃない。




もうしばらく……耐えろ、俺。



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