片恋い想い。




「君の~ために~♪~」



部屋に響く音楽のメロディー



正直、煩い…



もう帰ろうかな…?



ここにいても詰まんないし…



「…遠山さん」



「だ、誰?」



突然、話しかけられた



誰だっけ?



顔と名前が一致しないから誰が誰だか分からないのだ



「俺、薪橋 泉(マキハシ イズミ)。よろしく♪」



「は、はい?」




なんかチャラい…




何でこんな人が話しかけてくるの?




「梨菜って呼んでいい?」



「はあ…?」



何であんたに呼び捨てされないといけないだ?



話したこともないのに、いきなり呼び捨てはないでしょ?




「梨菜さ、好きな奴いんの?」



「え!?…な、なんで?」



「なんとなく♪」



不意に聞かれて頭に浮かんだ高橋を、一生懸命消す




なんで彼奴が出てくんのよ!





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