とある神官の話
―――"時は来た。
―――再び我らは復讐を遂げる"
―――"はたして嘘つきは誰か?
―――"本当は嘘に、嘘は本当に"
思わず顔をあげた俺とハイネンの目が合う。おいおい、こんな所で見せんなよ。そんな俺の思考を読み取ったらしい。「面倒臭いですねえ」と立ち上がる。そして俺の腕を掴み、神官たちに向かって「これちょっと借りますよ」と言った。おい誰だ!「どうぞどうぞお好きなように」と言った奴は!
うっかり握ってしまった紙はくしゃくしゃになっていた。
廊下に出て部屋を離れてすぐ「どう思います?」と聞いてきた。だが、ハイネンの顔は相変わらず。何を考えているのかさっぱりだ。
「その紙の後者は、報告書には無かったでしょう?」
「ああ」
「プレゼント、だそうです」
どういうことか。
聞き直した俺に、ハイネンは説明する。ヤヒアと遭遇したさいに、ヤヒアが言った言葉。"はたして嘘つきは誰か?本当は嘘に、嘘は本当に"
プレゼントだとヤヒアはいったそうだが、何やらまた嫌な予感しかしない。ハイネンもまた頷いた。