とある神官の話
"あの"エドゥアール二世をハナタレ呼ばわりできるのは、多分ハイネンか、あるいはエドガー・ジャンネスか。というかこの人何しに来たんだ?
ハイネンは近くにあった椅子を引き寄せ、座る。
「――――ところで」
「なんだ?」
「相変わらずしけた顔してますね」
「お前なあ」
「何です、口答えするんですか」
むしろお前だろう。そういいたくなったがやめた。無駄なのだ。新人が何事かと目を瞠る。まあそりゃそうだ。この変人には多分多くの人がかなわないだろう「まあ挨拶はこのくらいにして」
もう突っ込むのも面倒になった。長い足を組み替えて、ハイネンは溜息をつく。
「ミノアの事件は知っていますね?」
「ああ。今お前の報告書とシエナのものと読んでいた」
「?」
そういって出したのは一枚の紙。そこにはハイネンの字があり、奇妙な言葉を残していた。