とある神官の話






 "あの"エドゥアール二世をハナタレ呼ばわりできるのは、多分ハイネンか、あるいはエドガー・ジャンネスか。というかこの人何しに来たんだ?

 ハイネンは近くにあった椅子を引き寄せ、座る。





「――――ところで」

「なんだ?」

「相変わらずしけた顔してますね」

「お前なあ」

「何です、口答えするんですか」





 むしろお前だろう。そういいたくなったがやめた。無駄なのだ。新人が何事かと目を瞠る。まあそりゃそうだ。この変人には多分多くの人がかなわないだろう「まあ挨拶はこのくらいにして」

 もう突っ込むのも面倒になった。長い足を組み替えて、ハイネンは溜息をつく。




「ミノアの事件は知っていますね?」

「ああ。今お前の報告書とシエナのものと読んでいた」

「?」



 そういって出したのは一枚の紙。そこにはハイネンの字があり、奇妙な言葉を残していた。




< 150 / 796 >

この作品をシェア

pagetop