とある神官の話



「さが、って」

「えっ……」




 ハイネンの腕が腰に回った。浮遊。着地したのはいいが、ハイネンがいた場所には槍が刺さる。何が、という私へ続けざまに槍。ハイネンは血の尾をひきながら回避しさせる。

 見れば、そこには可愛らしい笑み。破壊された噴水に腰掛ける華奢な体は、私が見つけたあの子で。

 女性は片手をふる。地面に異変「っ!」ハイネンが強く私を押した。腕から解放された私は咄嗟に受け身をとれず地面に転がる。女性の笑い声が響いた「ああもう、あとちょっとだったのに」




「無様ね。ハイネン。でもちょっと意外。やっぱり貴方変わった。昔ならそんな行動しなかった」

「昔と、今は違いますよ。わた、しだって成長するんでね」





 体を持ち上がらせた私に聞こえたのは、そんな会話だ。
 血だらけのハイネンと、妖艶に笑う女性幼い顔には不釣り合いな笑み。まさか、と私は思う。

 ――――――リリエフ。





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