とある神官の話





「終わるまでは向こうにいるとハイネンが言っていた。まあ、私がここにいるから、祭事を誰がやることになるのやら」




 ノーリッシュブルグにいる枢機卿はミスラだ。彼が聖都にいるとなっては、ノーリッシュブルグでの祭事は誰かやるのか。確かにそうだ。
 ラッセルやシエナは無理だろう。となるとハイネンか?

 考え込むキースに、ミスラは笑う。



「どうであれ、アゼルがいるからまだマシだろう」

「クロフォード神官がいるのですか」



 ああ、と返ってくる言葉には笑み。ミスラがキースを見つめ、意味深に笑っていた「気になるか」
 この人は。
 そんなにわかりやすいだろうか、と焦るキースにミスラは真顔に戻る。




「来年の春、枢機卿が選出されるだろう」


 少し前から囁かれていたそれを、キースが知らないはずもない。
 アガレスの件で枢機卿や神官が死ぬ事件から、辞めるものもあった。最盛期に比べたらかなり少ないほうだろう。無駄に居座るやつを引きずり落とす、と恐ろしいことをミスラは平然と口にする。

 毎年枢機卿が選ばれるわけではない。だが、ミスラは断言した。何故そこまで?キースは口を開かない。



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