猫が好き!


 石はローズクオーツ。
 真純の誕生石だ。


「何? これ」
「マーキング」


 以前と同じ事を互いに繰り返す。
 目が合うとシンヤは穏やかに微笑んでサラリと告げた。


「結婚しようよ」
「え……だっておまえまだ若いし、今から将来決めなくても……」


 真純がすっかり動揺して、しどろもどろに諭すと、シンヤは真顔で答えた。


「オレが年を取るまで待てって言うならいくらでも待つけど、何年待ってもオレは真純以外いらないよ」


 どうしてここまで必要とされているのか、未だによく分からない。
 分からないけど、自分も同じくらい、それ以上にシンヤを必要としている。
 そして誰にも渡したくないと思う。
 なのに胸がつかえて、言葉が出てこない。

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