小さな私の中に
「はい?」


藤堂くんは自分の野球バックから携帯を取り出した


「アドレス教えて!」

アドレス?!
なぜ?!
まだそんなに仲良くないのに

そう考えながらもすんなりと
アドレス交換をしてしまった


「佐藤だっけ。今日はごめん」


あぁ自己紹介の時かな
別にそれは気にしてない



「ううん、大丈夫」

「こんな暗い中待たせちゃってごめんな・・・親とか心配してんじゃね?」

あぁ・・・そっち?


「へーき、今日は両親帰りが遅いから」

確かに両親がもう家についてたら
心配してると思う

でもそんなことは今日は無い

「そっか・・・」

きっと彼は今私を可哀想って思ってる
彼の表情を見るとわかる

「あ、もう帰るね。また明日!」


私は再び彼に背を向けて走った

「おい!ちょ、まっ・・・」


彼は何か言いたそうだったが
私はそれを無視した



私は決して可哀想な子なんかじゃない

彼にそう伝えたかったけど

私は彼の前から逃げた

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