海辺で恋するシンデレラ
あーもう、こうなったら
このまま成り行きを、見守ってやるっ。
「そうぉ?不束な娘ですがよろしくお願いします。」
お母さんが、深く頭を下げた。
「いえ、こちらこそ。大切な1人娘である海桜さんを、一生大事に致します。」
嬉しいはずの言葉なのに、私の心は複雑だった。
だって、数日前に別れを決意して
数時間前に、さよならを言った人が
目の前で、私を一生大切にすると母に言っている。
それに、波瑠さんには
高倉麗華さんと言った、婚約者がいるのに――――
「波瑠さん。」
「あぁ、言いたい事は分かってる。」
母に聞こえない様に「後でね」と囁くと
もう一度、母に向き合った。
「すみません、お母さん。この後会社に戻らなければいけませんので、今日はこの辺で帰らせて頂きます。」