デキちゃってない結婚
 小竹は驚いていた、普通の女性ならここでお金で自分を納得させるものだと思っていたが、この人はお金は要らないと言ってきた、きっとこの本田さんは心の強いしっかりとした女性なんであろうと、小竹は勘違いした。

「わかりました、あなたを信じます、美月もこれでいいね」

 唖然としていた美月が頷いたのを見て小竹は目の前の書類を下げて鞄に締まった。

「もし何かお金が必要になったら、ここに電話してください」

「いりません!」

 真理子は小竹が差し出した名刺を断ると自分のバッグを持って、美月の様子も伺わすカフェから出て行った。小竹は真理子に向かって深く頭を下げて小さく「ありがとうございます」と呟いた。

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