デキちゃってない結婚
「どうも初めまして、兄の雅樹です、いつも妹が」

 ここまで言って雅樹は目を見開いて口を閉じた、何故ならこれ以上口を開けると大変な事態になると察したからだ。

 そんなこととは知らず真理子は黙り込んだ雅樹を見て、こいつあまりの可愛さに度肝を抜かれたのだといい気になっていた。

「どうも初めまして、佳奈ちゃんと一緒の職場に勤めている本田真理子です」

 真理子の丁寧な挨拶に自分の限界を察した雅樹は目を反らして早口でこう呟いた。

「寒いので中に入りましょう」

 そう言って足早に公民館の中へと入っていった、それに続くように佳奈も無言で歩きだしたので、真理子も佳奈に続いて公民館の中へ入った。

< 63 / 278 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop