純情彼氏

「…なに?」

あくまで平静を装っていたのに
この犬と来たら……

「七海……俺の婚約者でしょ?」

コソッと耳に告げてきて満足げに笑う圭にあたしが赤面した


「なななっ…なに言ってっ!?」

「…やくそくしたのに」

拗ねた圭があたしの制服の裾を掴んで離さない
ついでに手首も

「………好きだよね?」

恋をしたのは確かにあたし
でも…ベタ惚れなのはこの犬かもしれない

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