甘いケーキは恋の罠
「少し歩いた所に僕のお気に入りの食器屋さんの入っているデパートがあるのでそちらに」
センスの良い匠さんのことだ、きっとお洒落な食器屋なのだろうな。
「相模さんがクラウンの内装や食器を買い付けていらっしゃるんですか?」
「はい。ほとんどは。」
何だか、クラウンが匠さんの家のように感じ嬉しく思ってしまう。
少しだけ匠さんに近付けた気がした。
それから直ぐにデパートに着き、エスカレーターで5階まで行くと様々な食器が陳列されたフロアーに着いた。
ティーカップが置かれた場所に行き、どれが良いかと眺めていると後ろから匠さんが声をかけられた。