正の数【せいのかず】
「携帯電源切れちゃってね
今公衆電話から掛けてるの《雅也》」
「へぇ…っぇ!?」
「どうしたの!?《殺す》」
「お前今誰かといる??」
「いないよ!やめてよ怖い事いうの
《今から迎えに行くからねぇえ》」

比奈の声に混じって聞こえる
もう一つの声
雅也にははっきりと聞こえる

「ねぇ今どこにいるの?」
「くるなっ…」
「へ?」
「比奈はくんな!」
そう言って雅也は電話を一歩的に切った

「なによ!」比奈は怒って家に帰った
「おい雅也言い過ぎじゃね?」
「うるさい…っ!」
「何があったんだよ?」
周りの人たちはみんな雅也を心配した
俺は日記を書き終わって
みんなのページをパラパラ捲った
そして一枚のページに目が止まった

「雅也…お前のページ、
正の字でいっぱいだぜ?」
俺がそう言うと雅也はノートと
俺の筆記用具を奪って消しゴムで
正の字を消し始めた
だが、正の字は消えない





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