【完】Rose.
男なんて、って貴方に言われたら、世の中の男性はどうなるの…。
「…私はその中で、貴女に憧れのような気持ちを抱いていたように思います」
いや、抱いてました。そう言う専務に、目が点になる。
憧れだなんて、まさか。
「…何を言って、」
「本当です。何にも靡かず。真っ直ぐに前へと足を進める貴女に、目を奪われた。その華奢な身体に、たくさんの物を背負っているのに、それでいて颯爽と周りに目もくれず歩く姿に、憧れたんです」
そんなの、そんなの。
「…ただの、可愛くない女じゃない…」
『…本当に可愛くない。だから捨てられるのよ』
…そう、私に憧れるなんて、間違ってる。
「可愛くない?どうして?俺は、可愛いって思ってる。誰がなんて言おうが、変わらない」
…どうして。
そんなに強い言葉で私を引き寄せるの。
「貴方は、私を、知らない、から」
だからそんなことが言えるの。
「知らない。だから、知りたい。ずっとそう思ってた。卒業してからも、ずっと」
卒業してから?
「7年?も経ってるのに…」
「えぇ、7年間も、足踏みしてました」