佳人な先生
どれくらい時間が

経ったんだろう。


私は雷の音に目を

覚ました。


「・・ん?雷?」


「起きちゃった?
 少し前から
 鳴り始めてね。
 だいぶ近づいてきたみたい。
 少し雨も降り出したよ。」


そうアンリ君は

優しく言って

少しカーテンをあけた。


窓には雨の水滴がついて

空が時折光り

大きな音が響いた。


「怖くない?」


「雷は怖くないよ。
 雷のあとには
 雨が降るから・・・。
 雨の音、好きなの。」


「そう・・・。」


アンリ君は

優しく微笑んでる。


そしてすぐに雨が激しく

降り始めた。


「瑞城先生と・・・」


「ん?」


「瑞城先生と
 雑談したのも・・・」


「・・うん。」


「雷と雨の話し
 だった・・・。」


「そう。」


「雷と雨の話し・・・
 
 だけ
 
 だった・・・。

 ・・・手紙。」


「え?」


「手紙!
 私・・・手紙どこに・・]


「あぁ。キリちゃんを
 迎えに行った時に
 にぎりしめてたやつだよね?
 カバンに入れておいたよ。」


私はあわてて

カバンをさぐり

手紙を取り出した。
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