佳人な先生
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 安里 匡 視点
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「・・・で、
 答えとしては?」



僕は芹沢さんに言った。



「・・・星音ちゃんと
 兄とは関係なく・・
 出会いたかった・・・。」



せつなそうに

話す芹沢さんは

男の僕ですら

色っぽく感じる

美しさだ・・・。



「瑞城先生がいたから
 星音と出会えた
 そう考えませんか。
 
 運命の出会いだか
 なんだか知らないけど
 そんなの自分の
 考え方ひとつだと
 僕は思います。

 僕からすれば
 瑞城先生がいたから
 あなたは星音に
 捕まえられた。
 充分運命的
 じゃないですか。

 星音も
 あなたも・・・
 もっとワガママに
 なるべきだ・・・。
 
 相手の気持ちを考えて
 自分の気持ちを
 押し殺していく
 ことだけが
 優しさと
 思わないで下さい。」



僕は芹沢さんに

訴えるように言った・・・。



そうだ。

今、僕は

星音にそう望む。



自分の気持ちに

素直になって欲しいと・・・。
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