君が教えてくれたのは、たくさんの奇跡でした。
このままだと、いつか母さんは、本当に倒れてしまう。



望んだ結婚ではなかったけれど、けして弱音を吐かず、人を憎まなかった母さんは藪内の方の身内にも慕われていた。



どうせなら、母さんも元から藪内の人間だったらよかったのに、と、何度思ったことだろう。



そしたら、きっと母さんと親父は一緒になることなどなかったのに。










「今日はお父さん帰ってくるから、ちゃんとしてるのよ?」



「……」



「雅、返事は?」





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