永遠の唄
everlasting

出会い

その日から神谷さんとは気まずくなって、全然話せなくなった。
委員会であっても会話を交わすことは無く、そのまま気まずい気持ちだけで流れてしまった。
私の初恋は終わってしまった。
そんな私を見て、楽しい気持ちにさせてくれたのがクラスメートの望だった。望は男子の中で一番話しやすい友達で、今学校で流行っているインターネットのオンラインゲームに誘ってくれた。
オンラインゲームではチャットが流行っていて、私もそれをしている間は神谷さんの事を忘れられた。
由里や愛莉、美優も一緒にチャットに参加してくれたり、先輩も何人か居たけどとても楽しかった。
私と美優は段々段々インターネットの世界に入り込んでいった。
でも、そのチャットを通してあまり交流の無かった2年生の先輩と仲が良くなれたりもした。
それにチャット上での恋愛も楽しんだ。そっちの恋愛のほうが何も気にせずに楽しめたからだ。
そんなある日、美優の家でチャットをしていたら、私の知らない先輩がそこにいた。
「美優―。この先輩誰?私知らないけど…?」
「え?知らないの?佐藤さんじゃーん」
「佐藤…?誰それ・・・?」
私はこの時まだ、圭の苗字なんて知らなかったね…。神谷さんに夢中だったから圭の顔なんて覚えてなかったね。ねえ…圭?あなたはまだこの時違う子をスキだったよね?
ねぇ…圭。
「2年の佐藤先輩!!それでこの人が佐藤先輩の元チャ彼!!!」
☆チャ彼=チャット上の彼女
「へえー。そうなんだ…。」
私はこの時佐藤先輩なんて興味無くて、目の前のことに只必死だったよね。
「てか、佐藤先輩知らないの?」
「うん、全然知らないよ☆」
「ちゃんと先輩の名前は覚えようよ~」
「はーい!」
この日はチャットの事やかっこいい先輩について沢山話した。
初めて圭の名前を知った大事な一日だったね。
それからの日々は学校に行って勉強して、小さなことで大笑いして、頑張って部活に出て、家に帰ってチャット!という生活を続けた。
夏休みも普段どおりに無駄に過ごしてしまったような気がする…。
それでも、皆と遊んだりお祭りに行ったりとても楽しく過ごせた。
そんな長い夏休みが終わった。
私の中学校では夏休みが明けたらすぐに体育祭がある。
初めての体育祭、覚えることが一杯でそれなりに大変だったけど私なりに頑張った!
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