永遠の唄
会話は終了したはずなのに1分経っても圭くんはチャットを切ろうとはしなかった。
私は変だなと思って圭くんにメッセージを送った。
《なんで落ちないのぉ?》
《1つお願いしてもいい?》
《うん?いいけどぉ》
《このPM怜ちゃんが切って?》
《えッ!?私ですかぁ?なんか嫌です…》
何故だか分かんないけどPMを自分からは切りたくなかった。今、圭くんと繋がっているのはそのPMだけだったから。
《俺も、嫌なんだよな…》
なんて言ってくれる圭くんがすごくすごく可愛く思って
《私もいやだよぉ》
そんな会話を繰り返すうちに、圭くんが切ってくれることになった。
PMを切るだけなのに15分もかかった。
それだけ、圭くんと離れるのが嫌だったのかもしれない…。
その次の日の学校では、皆から『よかったねぇ』とお祝いしてもらった。
何故か男子も知っていていろんな人から冷やかされたり、とりあえず大変だったけどそれなりに嬉しかった。でも、その日は圭くんに会うことは無かった。
私はそれから毎日のようにチャットに行って、圭くんと話してメールも送って話せなかった日はやっぱり悲しかった。
そんなある日、いつもの様にチャットに行くと、圭くんからPMが来た。
いつも通り話していると急に来たPMに書かれていた言葉…。
《俺、怜ちゃんの事大好き》
圭くんに初めて言われた大好きという言葉、嬉しくて嬉しくて涙が出そうだった。
《うん☆私も大好きだよぉ》
なんて返して、すっごく恥ずかしかったけど、とても嬉しかった。
そんな幸せな日々も覆す程に私は大きな悩みを持っていた。
そう、圭くんとは直接話したことが一度も無いのだ。
全て、チャットやメールなど間接的にしか話したことが無かった。
電話なんてした事ないし、手をつないだ事さえ…。
そう私たちは互いにシャイ同士で話したことなんて無かったし…会ったりなんてしてない。
そういう機会があっても二人とも中々会おうともしなかった。
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