不遜な蜜月

「体調はどうだ?」

「あ、大丈夫です。一応、産婦人科にも予約入れたので」


緑茶は熱くて、一気に飲むと火傷してしまいそう。


「そうか。・・・・・・香坂」

「お話があってきました」


理人の言葉を遮り、真緒は口を開く。

多分、理人の話を先に聞くと、ぐらつく気がしたから。


「話?」

「はい。これを、お返しします」


真緒は白い封筒を差し出し、理人は中身を出してみる。


「!」


中には、鍵がひとつだけ。

理人の部屋の、鍵だ。

これが何を意味するのか、わからないほど、理人もバカじゃない。


「香坂・・・・・・」

「私、いろいろ考えたんです」


お金のこと、片親のこと、もっと先のこと。

きっと、凄く凄く苦労するし、今のつわり以上に辛いこともある。


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