不遜な蜜月
でも、それでもこの答えを出した理由。
「社長。こういうことを言うと、社長はきっと笑うかもしれません」
昨日の夜は、遅くまで眠れないほど、緊張していた。
なのに、嘘みたいに落ち着いている自分がいる。
「好きな人と結婚すべきだと、私は思うんです」
「・・・・・・好きな、人」
「はい。社長には、ちゃんと好きな人と結婚してほしい」
理人は笑うだろう。
もしかしたら、バカバカしいと言うかもしれない。
けど、真緒にはそれが、1番嬉しいことだから。
「きっと、社長を癒してくれる人が見つかります」
「!」
理人の目が、驚きで見開かれる。
「だから―――」
「君は、あの時と同じことを言うんだな」
あの夜のことを、真緒は鮮明に覚えてはいない。
覚えているのは、理人だけ。