野獣な執事とワンコお嬢様
何を着ようかな~なんて考えてる放課後。



今日はジョーくんも彼女と約束があるらしく、少し時間を潰してから行くんだとか。



「ヒョウって毎日すぐ帰るね」

「あたしのお迎えに来るためにね」

「すごいよね、ヒョウ。僕だったら執事なんて絶対できないな」

「でも、ちゃんと執事なんだよ。どこで身につけたのかわかんないけど」



父のところでかな?



ヒョウのパパが執事なんだ。



確か、父と母がいちばん信頼してる人。



小さい頃はお兄ちゃんのお世話もしてくれてて、お兄ちゃんは『青柳』が大好きだった。



もう随分会ってないなぁ…。



父にも母にも、しばらく会ってない。



今年は帰ってこれるかな?



「琴音ちゃん」

「なぁに?」

「本当にヒョウのこと、好きにならないの?」

「好きに…?」

「ドキドキしたりしないのかな~って」



ヒョウにドキドキ…。



するよ?



えっ…これってあたし…ヒョウが好きってことなの?



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