野獣な執事とワンコお嬢様
【ヒョウ】



夏休みになり、庭にあるプールに水を張り、浮き輪で浮いて遊んでいる。



琴音ではなく、龍蔵さんが。



「お前のカラダ見てもつまんねぇ~」

「ピチピチ20歳に向かってなんてこと言うんだ、タマキ」

「龍蔵の金に物言わせて女呼べよ~」

「ほら、琴音がいる」

「貧乳に興味ねぇ~」



琴音はパラソルの下で足だけ水につかり、水着の上にパーカーを着ている。



ってか…タマキさん、なんで一緒に遊んでんだよ…。



すっげーいい体してるけど…。



「お兄ちゃん、大学もお休みなの?サークルとかってヤツはいいの?」

「サークルのキャンプ、タマキがダメって言ったんだ」

「なんで?」

「山まで行って、警護すんのが面倒だからって。だから超ヒマ~…」



仕事しろ、タマキさん。



本当に抜け目のない男なのか、疑問だ…。



「タマキさん、もうじきお客様がいらっしゃる時間ですよ?」

「もうそんな時間か?めんどくせぇ…」

「一応龍蔵様の婚約者なのですが…」



許嫁ってヤツが来る。



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