野獣な執事とワンコお嬢様
俺が近づいても気が付かないほど、真剣に。



「欲しいんですか?」

「うん…」

「お嬢様のお小遣いで買ってもよろしいかと」

「でもね、これって男の人から贈られるのが主流みたいだから、自分で買うのってなんか寂しい。帰ろう、青柳」

「はい、お嬢様」



そんなに高くもなかったな…。



俺だって24時間、琴音の執事として働いてるわけだ、



だから給料はもらってる。



まぁ、結構な額を…。



また車に乗り、家に帰る。



「ねぇ、青柳」

「はい?」

「どうしたら気持ちって伝わるの?」

「言葉にすればいいのでは?」

「でも、好きって言って、それが叶わなくて、気まずくなったらどうする?」

「好きな男性でも…?」

「ううん、気にしないで」



な、なんだよ、ソレ…。



明らかにいつものバカみたいな悩みじゃねぇだろ…。



これって…俺、ピンチ?



琴音の好きな男!?



殺してやろうか…。



他の男なんて、絶対ムリ!!



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