野獣な執事とワンコお嬢様
有栖川家の運転手に乗せられ、街に出た。



雪乃さんの好きなブランドショップに入ると、琴音が嬉しそうにしてる。



「お嬢様?お好きなんですか?」

「うん、シンプルだけどカワイイデザイン多いんだよ。コレとか、雪乃さんっぽい」



よくわからない。



彼女がどんな人間なのかも、よくわからない。



着けていたネックレスからして、あまり派手なのは好まないだろう。



安すぎても、龍蔵さんの謝罪にはならない。



妥当なのはこの辺りか…。



「こちら、人気商品ですよ。値段もお手頃ですし」

「お手頃じゃない値段でお願いします」

「ですが…お客様の年齢ですとローンはちょっと…」

「この48万の、包んでいただけますか?」

「えっ…」

「では先にお支払いいたします」



龍蔵さんから預かった財布から支払った。



満足してくれたらいいけど。



目的を達成したので、帰ろうとすると、琴音がショーケースをジッと見てる。



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