野獣な執事とワンコお嬢様
俺が琴音を幸せに…。



「やってみなきゃわかりません」

「そうか、ヒョウにしては珍しい答えだね」



穏やかな声のトーン。



俺の醜態を怒っているわけではなさそうだ…。



「いつもなら『できる』って答えるところだろ?」

「そうですね。でも、わたくしは琴音ではありませんので。人の気持ちというモノほど、わからないモノはありません」

「変わったね、お前」



そうかもしれない。



今までなら、琴音は俺といたら絶対幸せになると思えた。



だけど最近では、琴音がわからなくなったり、タマキさんに怒られたり。



シェフの心遣いなんかを感じて、少し考えるようになってる。



「それに、まだ手も出してないみたいだし」

「なっ!?」

「琴音が言っていたよ、アゲハにね」



なにをしたんだアゲハ!!



後で気が済むまで殴ってやる…。



「世間知らずで、少しワガママだけど、しっかり面倒を見てやってくれるね?」

「許して…いただけるのですか…?」



笑った龍馬様に、心からホッとした。



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