野獣な執事とワンコお嬢様
まだ寝てるかもしれない。



でもまず、ちゃんと挨拶してなかったから…。



琴音の母親がいるであろうリビングに行くと、頬を膨らました琴音と母親がいた。



オヤジがいるのは当たり前だ。



「ヒョウっ!!」

「珍しく自らお目覚めになられたのですね、お嬢様」

「そんなことよりパパはなんて…?」

「お嬢様、はしたないですよ、裸足なんて」

「慌ててたから…」

「今すぐスリッパをお持ちいたします」



本当に慌ててたんだろう。



俺は大丈夫なのに。



カワイイヤツめ。



スリッパを手に、リビングに戻って琴音にそれを履かせた。



「先ほどはまともに挨拶もせず、失礼いたしました」

「いいの!!琴音に怒られちゃった…」

「お元気そうでなによりです、美琴様」

「ヒョウも元気そうでよかった」



琴音の母親、美琴様は16で政略結婚、17歳で龍蔵さんを産んだ。



世間を全く知らない、ガッチガチのお嬢様だったらしい。



そのせいで、常識に欠けている。



その辺、琴音より100倍酷い。



< 176 / 500 >

この作品をシェア

pagetop