野獣な執事とワンコお嬢様
ヒョウに洗われるのがイヤで、下着は女のメイドさんが洗ってくれてる。



あたしは今から、何をしたらいいんだろう…。



洗濯機の使い方はおろか、洗剤の場所すらわからない。



「た、タマキさんっ!!」

「なんだ、琴音か。どうした?」

「洗濯って、どうするの?」

「教えるなって、青柳に言われてっからな。取説読め」



渡された取り扱い説明書は、フランス語っぽくてさっぱり意味不明。



日本製じゃなかったのね…。



「もうヤダ…」



洗濯物を部屋に持ち帰り、隅にまとめた。



いつもなら、今頃ヒョウのお茶を飲んで宿題をしてる時間なのに…。



お茶ってどうやったらできあがるのかすらわからないし…。



ベッドメイクだって、シーツの場所もわからないし、あんなにピシッと敷けるとも思えない。



あたし、ヒョウがいなきゃ本当に何もできないんじゃん…。



そりゃあ休んでるヒマなんて、あるわけないよね…。



あたしはヒョウがいなきゃ何もできない…。



< 250 / 500 >

この作品をシェア

pagetop