野獣な執事とワンコお嬢様
【ヒョウ】



見るからにやつれてる。



あぁ、おもしろい…。



日に日に洗濯物は溜まっていき、ベッドはいつもぐっちゃぐちゃ。



俺の監視がないのをいいことに、嫌いなものはすべて残す。



寝坊ばかりで寝癖だらけの髪。



化粧どころか、肌荒れ中の琴音。



「青柳さん、あれではお嬢様があまりにも不憫です…」



俺が来るまで、琴音の世話をしていたメイドが半泣きでやってきた。



どっからどう見ても、今の琴音はお嬢様なんかには見えないわけで。



「いいんですよ、あれくらいで」

「しかしっ…」

「お嬢様が自ら選んだんですから」

「青柳さんはあのままでよろしいんですか?」

「泣きついてきたら許してあげますよ。それまで…ダージリンでも飲みながら高見の見物といきましょう」

「お、鬼っ…」

「なにか?」

「いえっ!!では…失礼します…」



さぁ、俺に許しを請え。



もちろん、泣きながらな。



お前は俺なしじゃ、何もできねぇんだよ。



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