野獣な執事とワンコお嬢様
挨拶程度しか会話をしなくなり、1週間。



とうとう、琴音は学校を休んだ。



「ヒョウと琴音ちゃん、別れたって噂になってるね」

「俺も聞いた~。だから最近有栖川がヘコんでんだろ?」

「僕的には早く仲直りしてほしいんだけど」



ジョーと理時の話を、ただ聞いていた。



どうやら、俺たちは別れたことになってるらしい。



まぁ、学校では琴音に話しかけないしな。



家では、あいつが意地張ってるわけだ。



「可哀想だな、有栖川」

「どこがだよ」

「見た目が」

「ぷっ!!最高、理時」

「うわっ、ヒョウが笑ってる…」



そろそろ許してやってもいいんだけど。



アホみたいに素直なくせに、今回は限りなく頑固だな~と思ってただけ。



その日、屋敷に戻るとリビングに琴音はいた。



部屋着姿で、なぜか犬のドキュメンタリーを見ている…。



部屋着でリビングにいるなんて、俺がここに来てから初めて見る光景。



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